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LED ZEPPELIN バンド名の由来

キース・ムーンの皮肉が、伝説のバンド名になったという有名な話

Led Zeppelin という名前には、ロック史の中でも特に有名な“由来話”があります。
それは、The Who のキース・ムーンが名付け親だったという説です。

もちろん、実際の経緯にはいくつか証言の違いがあります。
キース・ムーンが言ったとも、The Who のジョン・エントウィッスルが口にしたとも言われています。
ただ、長く語り継がれてきた“最も有名な物語”としては、やはりキース・ムーンの皮肉が発端になったという話がよく知られています。

「そんなバンド、鉛の飛行船みたいに落ちるよ」

1960年代後半、ジミー・ペイジはヤードバーズ解散後の新バンド構想を進めていました。
その流れの中で、スーパーグループ的な話題が出た際に、
「そんなものは lead balloon みたいに落ちる」
あるいは
「lead zeppelin のように墜落する」
という冗談めいた言葉が出たとされています。

ここでいう lead は金属の「鉛」。
つまり“重すぎて飛ぶはずのないもの”です。
成功を期待するどころか、むしろ**「絶対うまくいかない」**という皮肉だったわけです。

そして、その皮肉をジミー・ペイジが逆手に取った。
“どうせ落ちる”と言われた言葉を、あえて自分たちの名前にしてしまった――
これが Led Zeppelin 誕生の有名なエピソードです。

キース・ムーン説が、なぜこんなに印象的なのか

この逸話が特に面白いのは、
発言者として語られるのがあのキース・ムーンだという点にあります。

キース・ムーンといえば、The Who の破天荒なドラマー。
派手で、騒がしく、予測不能で、ロックの“暴れ馬”そのもののような存在でした。
そんな彼が、未来の伝説的バンドに対して
「そんなの、鉛の飛行船みたいに落ちるだろ」
と冗談を飛ばした――この図式が、あまりにもロック的で絵になるのです。

しかも実際には、その“落ちるはず”だったバンドが、
歴史上もっとも巨大なロックバンドのひとつになってしまった。
この逆転の鮮やかさが、由来話をただの豆知識ではなく、ひとつの神話にしています。

ただし、証言には少し揺れがある

この話には少し補足も必要です。
ロック史の有名エピソードらしく、細部は完全に一本化されていません。

よく知られているのはキース・ムーン説ですが、
一方で、ベースのジョン・エントウィッスルが “lead zeppelin” という表現を使ったという話もあります。
つまり、

キース・ムーンが言った
エントウィッスルが言った
その場のやりとりの中で広まった
というように、やや伝承めいた部分があるのです。

けれど、こうした揺れがあるからこそ、むしろロック史らしいとも言えます。
楽屋や酒席やスタジオの雑談の中で生まれた言葉が、
やがて世界で最も有名なバンド名のひとつになる。
そこには整いすぎた公式発表にはない、生々しい時代の空気があります。

“Lead” ではなく “Led” にした理由

もうひとつ有名なのが、綴りの変更です。

本来の言葉は Lead Zeppelin だったとされますが、
このままだと英語圏で lead を「リード」と読まれてしまう可能性がある。
そこで発音を明確にするため、綴りを Led に変えたと言われています。

Led Zeppelin という表記は、意味のインパクトを保ちながら、見た目としても異様に強い。
短く、重く、鋭い。
まさにあのバンドの音そのものです。

この名前の本質は、
単にキース・ムーンが言ったかどうかだけではありません。

大事なのは、否定的な言葉をジミー・ペイジたちが自分たちの名前に変えたことです。
失敗の比喩を、成功の象徴に変えてしまった。
“飛ぶはずのない鉛の飛行船”が、ロックの空を最も高く飛んだ。

これはレッド・ツェッペリンというバンドそのものを象徴しています。
彼らは上品で安全な道を選ぶタイプではなかった。
重く、危険で、神秘的で、時に過剰なくらいのスケールで前に進んだ。
だからこそ、Led Zeppelin という名は単なるバンド名ではなく、
彼らの音楽性そのものを表す“予言”のようにも響くのです。

キース・ムーンの冗談は、伝説の入口だったのかもしれない

もし本当にキース・ムーンがあの言葉を口にしたのだとしたら、
それはロック史上でもっとも有名な“冗談のひとつ”だったことになります。

そして、たとえ発言の細部に異説があったとしても、
この逸話が長く愛されてきた理由ははっきりしています。
それは、あまりにも出来すぎた話だからです。

The Who の狂気のドラマーが放った皮肉。
それを拾い上げたジミー・ペイジ。
そして“落ちるはず”のバンドが、永遠の伝説になる。

Led Zeppelin という名前は、ただかっこいいだけではありません。
そこには、ロックが持つ皮肉、偶然、反骨心、そして神話化の力が、すべて詰まっているのです。

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