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黒ドラゴンと白ドラゴン ペイジのドラゴンスーツ
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ジミー・ペイジの“ドラゴンスーツ”は、レッド・ツェッペリンという巨大な存在が、音だけでなく視覚でも神話になっていったことを象徴する衣装だ。ファンのあいだで「ドラゴンスーツ」と呼ばれるものは一着だけではなく、特に有名なのは1975年の黒いドラゴンスーツ、そして1977年に見られる白いドラゴン系のステージ衣装である。ジミー・ペイジ自身の公式アーカイブでも「Black Dragon Suit」として扱われており、後年にはロックの衣装史の一部として展示されるほどの存在になった。Led Zeppelin公式サイトには、2019年のメトロポリタン美術館「Play It Loud」展での“JP’s Black Dragon Suit”の展示写真や、90年代後半のロックの殿堂展示での記録が残っており、この衣装が単なるファンの通称ではなく、歴史的な実物として認識されていることがわかる。

この衣装の歴史をたどると、まず最も象徴的な黒いドラゴンスーツが表舞台に現れるのは1975年だと考えるのが自然だ。ファン資料や当時の写真の検証では、1975年3月27日のロサンゼルス・フォーラム公演で、まずパンツだけが先行して登場し、その後、同年5月のアールズ・コート公演で上下そろった“完成形”が強烈な印象を残したとされている。公式の映像で広く知られるアールズ・コート期の姿によって、黒地にドラゴンを背負ったジミー・ペイジのイメージは決定的なものになった。さらにこの黒いドラゴンスーツは1977年のツアーでも再登場しており、一度きりの衣装ではなく、ペイジの後期ステージ像を支えるアイコンへ育っていったことがうかがえる。もっとも、初出の細部や各公演での着用パターンについては、公式に完全な時系列一覧が整理されているわけではなく、写真記録の照合に依存する部分もある。

ドラゴンスーツが特別なのは、その派手さだけではない。ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンのサウンド面で神秘性や古代性、東洋趣味や神話的イメージを巧みに取り込みながら、自分自身もまた“普通のロックスター”ではない存在として舞台に立っていた。黒いドラゴンスーツは、そうしたペイジのキャラクターをそのまま可視化したような衣装だったと言える。ギターではドラゴン・テレキャスター、衣装ではドラゴンスーツ――この反復される“ドラゴン”のモチーフは、彼が音と見た目の両方で、自分の神秘性を演出していたことを感じさせる。公式ストアで案内されている『Jimmy Page: The Anthology』でも、この衣装は“dragon-emblazoned suit”として特別なアイテムのひとつに挙げられており、本人の人生を総覧するうえで欠かせない品として扱われている。つまりドラゴンスーツは、単なるステージ衣装ではなく、ジミー・ペイジという人物のイメージ戦略そのものだったのである。

また、“ドラゴンスーツ”の歴史を面白くしているのは、黒い一着があまりに有名でありながら、後年には白系のドラゴン衣装や刺繍入りの別バリエーションも語られる点にある。ファンのあいだでは1977年の白いドラゴン系スーツや、花柄・刺繍系のステージ衣装とのつながりもよく話題になる。『Jimmy Page: The Anthology』の商品説明でも、ドラゴンの衣装と白い刺繍スーツが並んで言及されており、ペイジのステージ衣装史のなかで、ドラゴン・モチーフが単発ではなく、ある時期の美学として連続していたことを感じさせる。黒いドラゴンスーツが伝説として突出している一方で、その後の白い衣装群まで含めて見ると、ペイジは1970年代半ば以降、自分の衣装を“キャラクターの延長”として意識的に組み立てていたように見える。

そして、この衣装が今なお語り継がれる理由は、ちゃんと“残っている伝説”だからでもある。ドラゴン・テレキャスターはオリジナルの姿が失われたことで神話化されたが、黒いドラゴンスーツは後年に展示され、実物として公の場に現れている。Led Zeppelin公式サイトには、90年代後半のロックの殿堂展示で“Jimmy Page’s Black Dragon Suit”が公開された記録があり、2019年にはニューヨークのメトロポリタン美術館の「Play It Loud」展でも再び注目された。これはつまり、この衣装が単なる“昔の派手な衣装”ではなく、ロック史の中で保存・展示されるだけの文化的価値を持つと認められていることを意味している。ギター、音源、ライブ写真だけでなく、衣装そのものが時代の記憶として保存されているからこそ、ドラゴンスーツは今もなお、レッド・ツェッペリンの神秘と豪華さを一目で伝える象徴であり続けているのだ。

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